紫月探偵事務所の物語に、またひとつ新しい章が加わりました。
今回は、特別な事件が起きるわけでも、大きな謎が明かされるわけでもありません。
ただ、いつもと変わらない午後に、ふたりが過ごす、ほんのひとときの物語です。
けれどその静かな日々の中にこそ、心を揺らす“何か”がある。
それを、丁寧に紡ぎたくて、この作品が生まれました。
レインさんとそら君の関係に、ふと立ち止まりたくなるような瞬間があれば──
そして、読んでくださるあなたの日常にも、そっと寄り添える物語になっていたら、嬉しいです。
静かな夢のはじまりに寄せて
夢というのは、 ときに心の奥にしまっていた不安や願いを映す鏡のようなもの。
笑っているそら君が出てくるのに、 声だけが聞こえなかったのは── もしかしたら、レインさんの心が、何かに揺れたからかもしれません。
「また、記憶がこぼれた?」
この言葉に、どんな想いが滲んでいたのか。 観終わったあとに、ふと考えてしまう瞬間があるのではないかと思います。
時間が経っても、大切な人との絆は消えない。 でも、いつの間にか揺らぐ“何か”も、確かに存在している。 だからこそ、何気ない“おはよう”の声が、 どれだけ尊いかを忘れたくない──そんな想いを込めた作品です。
柔らかな声で紡がれた “そら君”
今回、そら君役を引き継いでくださったのは、 音声表現者・丸野三太郎さん。
演じる側にとって、これは大きなプレッシャーのかかる役割です。 でも丸野さんは、温かく、そして快く引き受けてくださいました。
最初の打ち合わせの時点で、 すでに過去の作品をたくさん観てくださっていて、 キャラクターの空気感や関係性を、丁寧に汲み取ってくださっていたのが伝わってきました。
そして届いた音声は── イントネーションも、間の取り方も、温度感も、まさに“そら君”でした。
きっと何度も研究して、試行錯誤して、 そら君にたどり着いてくれたのだと思います。
さらっと納品してくださったけれど、 その裏側には、確かな時間と想いがあったはずです。
表現者として、自分の色を役にのせることはできても、 すでに色づいているキャラクターを“自然に引き継ぐ”ことは、本当に難しい。
だからこそ、私は心から思います。 丸野さんにお願いして、よかった。
実は丸野さんご本人も、「かなりのプレッシャーがあった」とポストされていました。 それでも、こんなにも丁寧にそら君に向き合ってくださったこと…… 感謝しかありません。
それに何より── みなさんが丸野さんを温かく迎えてくださったことが、本当に嬉しいです。 コメント一つひとつが、何よりの励みになっています。 本当にありがとうございます。
そしてこれからも、 そら君の優しさと強さ、レインさんとの絆と愛情を、 “そら君として”紡いでくださると信じています。
静かに見守る “レインさんのまなざし”
そして、レインさんを演じてくださっている一色さんにも、 改めて心からの感謝をお伝えしたいです。
今回も、いつもと変わらず、 丁寧に、繊細に、レインさんの気持ちを汲み取ってくださいました。
優しくて、大人で、少しだけ意地悪で。 でも実は、そら君のことをずっと見守っていて──
そんな“レインさんらしさ”が、言葉の間に、声の温度に、 しっかりと宿っていました。
変わらない想いがあるからこそ、 そら君の成長も、自然に浮かび上がってくる。 一色さんの存在があってこそ、紫月探偵事務所の世界は、 こんなにもあたたかく、安心できる場所になっているのだと感じます。
一色さん、いつも本当にありがとうございます。
日常のなかに灯る、小さな変化たち
紫月探偵事務所の“変わらない日常”のなかに、 ほんの少しずつ変わっていくものがあって。
その変化のひとつひとつを、 これからも丁寧に描いていけたらと思っています。
どうかこれからも、レインさんとそら君を、 あたたかく見守っていただけたら嬉しいです。
動画作品も、ぜひご覧ください↓
